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2008/02/13

「世界共和国へ」柄谷行人


自分はたとえどんなに精緻な制度その他を持った社会が描かれていようと、現実を寄与のものとしてそこに至るまでの道筋が描かれていない限り
それは単なる夢想の域を出ないと思っている。
確かに、この本は単なるユートピアの構想が描かれているわけではないけど、大部分が「歴史」(過去及び現在の考察)の話で、
現在の状況からいかにして世界共和国へ至るかの具体的考察を期待して読んだ自分としては少し期待外れだった。



ともあれ、国家は外部との関係において国家なのだから、内部から国家を廃棄することはできない、といった下りはなかなか面白かった。
つまり、ある国が国家を廃棄したとしてもすぐに周辺からの干渉や支配を招くし、そうさせまいとその体制を維持しようとすれば国家的にならざるをえないわけ。

そこでマルクス主義者達は「世界同時革命」を唱えたわけだけど、それはちょっと難しいよねってところから(自分にとっての)本題が始まる。


で、筆者が何を言い出すかと思えば「国連に主権を徐々に譲渡していこう、例えば日本の憲法9条のように」みたいなこと。

何だかなぁ……。

過去に対する洞察はなかなかのものだと思ったけど、現状認識はお粗末だと思った。



筆者は「リバタリアンやアナルコキャピタリストは、資本主義が国家を解体するかのように考えているのですが、そんなことは絶対にありません」と言ってるけど、自分はむしろそちら(資本主義、というかグローバリゼーション)のほうが世界共和国(まぁ、世界連邦どまりになると思うけど)への近道なんじゃないかと思う。

例えば、現に会計基準が統一されてきているし、FTAによって関税も徐々に撤廃されてきているし、人の往来も長い目で見れば一貫として自由になってきているし。

そのうち、税制も似たものになっていきそうだし。

H18.5.28



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