ビジネスとしての振り込め詐欺

最初に断っておきますが、犯罪を擁護する意図は全くございません。

どこまで「ビジネス」として考察できてるのか疑問、というか結局単に振り込め詐欺に関する説明を何となくビジネスっぽい用語で言い直しただけになってしまった気がします。



まずは概要から。

振り込め詐欺は以下の4つの詐欺の総称らしいです。

なお、括弧内は2008年の被害件数と被害額(いずれも既遂)。

 ・オレオレ詐欺(7407件、約155億円)

 ・架空請求詐欺(3215件、約36億円)

 ・融資保証金詐欺(5035件、約37億円)

 ・還付金等詐欺(4467件、約47億円)



オレオレ詐欺って交通事故の示談金のイメージがありますが、それが主流だったのは2004年(8832件)までで、翌年には1248件に減少、昨年は153件に過ぎません。

最近の主流はサラ金等の借金返済や会社でのトラブル・横領等の補填みたいです。

また、最近は振込ではなく現金書留で郵送させたり、直接集金(?)するパターンもあるようです。



各々の平均被害額は以下の通り。

 ・オレオレ詐欺(210万円)

 ・架空請求詐欺(111万円)

 ・融資保証金詐欺(74万円)

 ・還付金等詐欺(106万円)



架空請求詐欺の平均額が高過ぎな気がします。

小額の被害が警察に届け出されることは少ないんじゃないかと予想。



2008年の「市場規模」(被害額)は約276億円でした。

ただ、これはあくまで警察が認知している額に過ぎないから実際はもっと大きいでしょうね。



また、比較のためにいくつか参考になりそうな値を調べてみました。

・音楽配信の市場規模(2007年):363億円(野村総合研究所

・同人誌の市場規模(2007年):277億円(iNSIDE

・SEOの市場規模(2008年):130億円(MarkeZine



ちょっとしたニッチ市場ぐらいの規模ですかね。



「就業人数」はいかほどでしょう?

2008年の検挙件数4400件に対して、検挙人員は700人。

認知件数は20481件なので、単純計算すると、約3254人。

「雇用創出効果」は限定的みたいです。

逃げ切った人も多いでしょうし、認知されなかった事件も多いでしょうから実際にはもっといそうですけど。



上記の数字を用いると、一人当たりの「売上高」は年間約850万円で、月当たりでは70万円ほど。

思っていたより意外に大人しい数字です。

たぶん、検挙される人は「出し子」と呼ばれるATMから現金を引き出す、使い捨て(?)に近い役割の人が多いためでしょう。

「正社員」一人当たりの売上高に直すとかなり高いんじゃないかと思います。



次は、振り込め詐欺の「社会的意義」について2点ほど。

オレオレ詐欺に限ると、マクロ的なマネーフローだけに着目すれば、高齢層の銀行預金が若年層に移転してるわけで世代間の格差を是正の効果が多少ありそうですね。

とは言え、実際の被害者が富裕層であるというイメージは余りありませんが……。

※無論、富裕層が被害者だったら許されるとも思ってません。



また、おそらく「売上」の大部分は消費にまわってるだろうから、そういう意味では消費の拡大に貢献している部分もあるでしょうね。

276億円は日本のGDPの約0.005%。

日本の人口(約1億2700万人)で0.005%というと6350人なので、小さめの町か大きめの村一つ分ですね。



最後に結論めいたものを。

こんな「ビジネス」は「普通の人々」にとってはリスクが高過ぎてやってられないんじゃないかと思います。

ただ、非正規雇用やらフリーターやらニートやらが増加している現代ニッポンの「希望格差社会」に生きる若年世代の少なくとも一部にとっては意外にリスクに見合った「仕事」なんじゃないかと少しだけ思いました。

まあ、リスクに見合ったというか、失うものが無いといいますか……。

「参入障壁」も心理的な面はともかく、低いでしょうしね。

若年世代への皺寄せが生み出した矛盾の表れとでも言いましょうか。

※繰り返しますが、犯罪を擁護する意図は全くございません。



以下余談。

このページ警察庁のホームページから直でリンク(振り込め詐欺撲滅に向けて)されているページなんだけど酷すぎです。

せめてtitleくらい設定してください……。

しかも、こんななのにサイズ見たら37KBもあります。

ヘッダから判断するにWordで作ったようです。



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