まずは、同名の面白いペーパーを見かけたのでご紹介。
アジア諸国におけるイスラム金融の展開(pdf) by (財)国際通貨研究所
批判しているわけじゃないですが、こういうリサーチペーパーってよく調べてるなと思う反面、一体何人が読むのだろうと思う。
もちろん大勢に読まれればいいっていう訳でもないが、せっかくの成果が埋もれてしまう(?)のは、リソース分配とかの面で単純に勿体無いなと。
もしかしたら自分の知らないところでいろいろと活用されているのかもしれませんが……。
急速な拡大を見せていたイスラム金融ではあるが、金融の一部門として世界金融危機の影響を相応に受けた。イスラム金融では投機的な取引などが禁止されており、一般の金融機関に比べて、金融危機の影響は相対的に軽微なものに留まるとみられていた。しかし世界金融危機が経済危機へと波及するなかで、具体的にはイスラム金融機関の多くの取引の裏付けとなっていた不動産の価格下落、開発プロジェクトの休止、そして流動性の枯渇などがイスラム金融機関に一般金融機関以上の影響を与えることに繋がった。
というわけで、世界金融危機はイスラム金融にも影響を与えたらしい。
不動産が取引の裏付けって何か日本のバブル経済を思わせるけど、今回の金融危機も元を正せば住宅ローンに行き着く(?)訳だし、不動産というのは金融や経済の根本にあるものなのかもしれないなと感じた。資源もそうかもしれないが。
イスラム金融資産の国別シェアが載っていたが、意外にイランが1位で37%を占めていた。1国で3分の1超とは。
2位のサウジ14%とあわせて、半分以上を占めるのね。
続くのが、マレーシア、クウェート、UAEで、上位5位まででちょうど80%
先進国では英国(3%)がいるぐらい。
タカフル発祥のスーダンやエジプトはその他(5%)扱いっぽい。
マレーシアは国策としてイスラム金融の世界的ハブとなることを目指しているらしい。
確かにマレーシアにはタカフル含め、いろいろと法整備を進めている印象がある。
また、今までノーマークだったシンガポールも非イスラム国としては英国に次いで、イスラム金融の制度整備を進めているらしい。
その他、普段イスラム金融関係ではあまり見かけない国も含めて、各国のイスラム金融の展開がまとめられているので興味ある向きは読んでみるとよろしいかと。
お次はこちら。
ホンリョン東京海上、新タカフル商品を発売
ホンリョン東京海上は、マレーシアの東京海上と現地銀行グループとの合弁会社。
中国の株式に投資する元本保証型の投資新商品を発売したらしい。
株式に投資するのに元本保証とは。
記事中に「イスラム式投資(タカフル)」って書いてあるけど、タカフルはイスラム保険だと理解しているが……。
イマイチ要領を得ない感じだが、商品説明を読むと、5年満期型で死亡時には掛け金の最大125%が支給されるとのことで、やはりベースは生命保険に近い……?
日本語で言えば、一時払変額年金保険(年金原資保証型)というところかな。(自信なし)
参考:東京海上HDのタカフル展開についてのまとめ
最後はちょっと古いけど。
『らくだより』 第75号(2010年4月30日)スパークスの中東地域における情報発信レポート
なんでも、2010年の4月12日~13日に世界イスラム保険会議がドバイで開催されたらしい。
そんな会議があったとは知らなかったが、今回で5回目を数えるようだ。
タカフルでは、サウジが1位らしく、2008年で290億ドル程度とのこと。
何の値が290億ドルなのか意味不明なんだがw額から考えると保有契約高かな。(これも自信なし)
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