各府省庁からの税制改正要望が公表されました。
例年は8月末に発表されています。
しかし、今年はコロナの影響からか、1ヶ月遅れでした。
今回も個人投資家目線・そして、子育て世帯の目線から気になった要望を取り上げます。
【厚生労働省】企業型・個人型確定拠出年金の拠出限度額の見直し
現状(抜粋)
○ 企業型確定拠出年金(企業型DC)の拠出限度額は、現行は月額5.5万円となっている。〇 企業型DCと確定給付企業年金(DB)を併せて実施する場合は、DBに加入している者と加入していない者との間で不公平が生じないよう、月額5.5万円からDBの掛金額を控除する必要があるが、現行は全てのDBの掛金額を月額2.75万円と一律に評価し、企業型DCの拠出限度額 は残りの月額2.75万円となっている。〇 この控除するDBの掛金額については、制度創設当時の厚生年金基金の単純平均から評価したものであるが、現在のDBの掛金額の実態は、月額2.75万円より低いDBが多く、DB間で大きな差もあり、より公平な制度とすることが求められている。○ また、個人型確定拠出年金(個人型DC)の拠出限度額は、現行は企業年金(DB・企業型D C)の加入状況によって異なっている(月額2万円、1.2万円等)が、より公平な制度とすることが求められている。
要望内容
国民が高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を行うに当たって、これに対する支援 を公平に受けられるようにする等その充実を図る観点から、企業年金・個人年金の在り方を検 討し、税制上の所要の措置を講ずる。(※)現在、社会保障審議会において、企業型DC・個人型DCの拠出限度額について、DBごとの 掛金額の実態を反映し、より公平な算定方法に改善を図ること等を検討中。
はい、待っていました。
私の勤め先も企業型DCとDBを併用しています。
企業型DCあるいはiDeCoの拠出額が増額されると嬉しいですね。
【厚生労働省】子育て支援に要する費用に係る税制上の措置
現状(抜粋)
一部の地方自治体において独自の子育て支援策として上乗せで利用料に関する補助を行っているが、 この給付が、所得税法上、雑所得等として計上されるなどの事例があり、これに対して、地方自治体 が行う子育て支援施策の効果が薄れてしまう、実際の所得が増えたわけではないのに課税をされてい ることは不公平であるなどの指摘がされているところである。
要望内容
子育てと仕事の両立を支援するため、ベビーシッター等の子育て支援に係る費用について、税制上の措置を講じる。
見出しをみて「これは!」と思ったのですが、少々期待はずれ。
保育料などの補助が雑所得として課税されることがあるよ。
だから(おそらく)補助は非課税にするよ。
という話だと読みました。
保育料は所得控除にすべきと考えていますが、どうやらそこまでには至らなそうです。
【金融庁】金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)
平成17年度(2005年)からの継続要望になります。
デリバティブ取引・預貯金等については、未だ損益通算が認められておらず、投資家が 多様な金融商品に投資しやすい環境の整備は道半ば。
私はコモディティの取引は行っていないので、損益通算範囲が拡大されても恩恵はありません。
ただ、この先、預貯金の損益通算ができれば恩恵はあるので、損益通算範囲の拡大は歓迎します。
大きく取り上げたいトピックはこんなところです。
今年はおそらくコロナ関連で忙しく、それ以外の新規要望には力を入れられなかった印象です。
ちなみに、このブログで税制改正要望について取り上げるのは昨年に続き2度目。
昨年の記事はこちらです。
もっと以前は、別ブログ「hexarys」で記事にしていました。
・平成20年度 税制改正要望事項(2008年)
・平成22年度 税制改正要望事項(2010年)
・平成23年度 税制改正要望(2011年)
もっと以前は、別ブログ「hexarys」で記事にしていました。
・平成20年度 税制改正要望事項(2008年)
・平成22年度 税制改正要望事項(2010年)
・平成23年度 税制改正要望(2011年)
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