つみたてNISA、一般NISA・新NISAのどちらが得かを検討しました。
私の出した結論は「一般NISA・新NISA」です。
つみたてNISAは年間40万円の非課税投資枠と最長20年間の非課税期間が与えられます。
同時に投資可能な最大の非課税投資可能額は最大で800万円です。
一方、一般NISAは年間120万円の非課税投資枠と最長5年間の非課税期間が与えられます。
同時に投資可能な最大の非課税投資可能額は600万円です。
同時に投資可能な最大の非課税投資可能額は610万円です。
「800万円>600万円~610万円」なので、つみたてNISAのほうが得、などと短絡的に考えてはいけません。
「apple to apple」つまり同一条件で比較する必要があります。
お互いの制度にとってなるべく不利にならないように、以下の前提条件で試算しました。
前提条件
同一条件での比較とするため、そしてつみたてNISA、一般NISA・新NISAのどちらにも不利とならないように以下の前提で投資を行うものとします。
・年間の投資額は120万円
→年間の投資額は一般NISAの非課税投資枠を意識し、120万円としました。
つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円ですので、残りの80万円は特定口座で運用するものとします。
なお、実際には2024年から新NISAが始まり、年間の投資可能額は最大122万円になります。
・20年間、年間120万円の積立投資を続ける(投資元本の総額:2400万円)
→つみたてNISAの不利にならないように、積立期間は非課税投資期間が長い方の制度(つみたてNISA)と合わせます。
・20年間の積立期間終了後、さらに20年間の資産運用を続ける(投資期間:40年)
→つみたてNISAの20本目の非課税投資期間(20年)が終わるのが40年後になります。
つみたてNISAの不利にならないように、投資期間は40年間としました。
・投資期間の40年経過後に一括売却する
・一般NISA・新NISA口座ではロールオーバーを繰り返す
→一般NISA・新NISAの利点はロールオーバーが可能であることです。
今回の試算でもロールオーバーを行う前提で試算しています。
ロールオーバーの「おかわり」が可能であることは以前にも触れました。
こちらも再掲になりますが、新NISA制度については金融庁職員による金融研究センターへの寄稿が詳しいです。・新しいNISA制度の概要と改正の狙い(PDF)
・期待リターンは5%
→今回の試算ではリターンの水準がプラスであれば、どちらが得かは同じ結論が得られます。
期待リターンが1%であっても10%であっても「一般NISA」が得になります。
試算結果
つみたてNISA
一般NISA
試算の仮定
試算の仮定は以下の通りです。税率
税金は利益にかかるものとし、税率は20%としました。
ちなみに現行の税率は20%(所得税:15%、住民税:5%)に復興特別所得税(所得税額の2.1%)を足して、20.315%です。
復興特別所得税は令和19年(2037年)に終了予定です。リターン
今回、期待リターンは5%としました。
試算上は毎年5%値上がりするという、実際にはありえない前提で試算しています。
ただ、つみたてNISAの場合は20年~40年後に売却するので大きな影響は無いと考えています。
一方、一般NISAの場合、ロールオーバーのタイミングで5年前よりも値下がりしていた場合、非課税投資枠に追加で投資することになります。
元本ベースで600万円を超えて非課税枠で投資ができるわけで、長期的に見れば悪い話ではないかもしれません。
新NISA制度の延長
今回の試算では新NISAから新NISAへのロールオーバーおよびロールオーバーの「おかわり」も可能なものとして試算しています。
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