俗にいう(目的のためには手段を選ばない的な)「マキャベリズム」は
本来のマキアヴェリの思想とは異なります。
マキアヴェリは単なる思想家ではなく、実際に外交官等として政治に携わった人物です。
従って、その思想も机上の空論ではなく、現実に立脚したものです。
内容的には、君主国の分類から始まります。
君主の行動指針が主な内容かと思っていたので、意外でした。
その後、内政や軍事、外交において君主がどう行動すべきかを歴史(実体験も含まれる)を
もとに考察しています。
味方でない者が中立を要求してきたり、味方の側が、応援を要請してきたとき、
決断力のない君主は、当面の危機を回避しようとするあまり、多くのばあい中立の道を選ぶ。
そして、おおかたの君主が滅んでいく。
印象に残ったもののうちの一節です。
この後、まるで数学の証明問題のように事態を場合分けして、
中立がなぜ駄目なのかを論証していきます。
このような形式が著者の基本的なスタイルなんですが、なかなかおもしろいです。
H15.3.17
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